DIGIMON BEATBREAK 第11話感想

DIGIMON BEATBREAK 第11話「黒い感情」感想

脚本:森地夏美 演出:古賀豪(ごう) 総作画監督:諸葛子敬 作画監督:西村あずさ、近藤瑠衣、吉田雄一、迫由里香 美術:神綾香 演出助手:倉田俊宏 制作進行:路川花菜、吉野翔馬 <2025.12.14.放映>

古賀氏はアニメ演出家、アニメ監督。夢のクレヨン王国の演出助手に始まり、数々の東映アニメ作品を手掛け、クロウォで演出、アプモンではシリーズディレクターをされている。結論は後半編へ。アイキャッチはキョウ編。好奇心旺盛で行動力のあるゲッコーモンの迷惑行為が度重なり、ひどいことを言ってしまったトモロウ。パートナーからの辛らつな言葉に、暴走しまくりゲッコーモンはレアモンに食われてしまう。結果としてそれを助けtsのは五行星の一人・忽那カイトであった。三体の進化シーンが見られて満足。四体になる日はいつ?

●トモロウ:両親が逮捕され心細いトモロウにアスカは温かだった。アスカの温かさを象徴する赤いマフラーを見つけたのに、ゲッコーモンのせいで台無しに。ゲッコーモンは一緒にプレゼントを選びたかっただけなのだがいかんせんアプローチが強引で、トモロウが怒るのも無理はない。マフラー、弁償したのかな、悲しい。レアモンの出現に、バトルへの不適切な介入、トモロウともみ合って怪我させる、度重なるトラブル。「俺はそんなこと望んでない、お前なんて生まれてこなきゃよかったんだ!」ああ、言ってはいけない一言を、言ってしまいました!その気持ちはわかるけど、ゲッコーモンかわいそう。トモロウの高ぶった黒い感情に、ゲッコーモンは泣きながら、黒いオーラをまとった。本心ではあっても、それが全てではない、ゲッコーモンをひたすら案じるのも伝わってくるから切ない。

保護者でありチームのリーダーである年上のキョウを呼び捨てにするのは私は抵抗がある。

●ゲッコーモン:パートナーが十代だけに、「ハブる」という語彙を知っていた。根はよいのだが余計だ邪魔だと言われ反発。なまじっか単独でも行動力があるから始末が悪い、全部裏目に出た。トモロウから生まれたのに存在を全否定されて、泣きながら黒いオーラに包まれる。最後に必死にフレアモンにゲッコーモンは向かってゆくが、ムラサメモンが介入し、デリートはされずに済んだ。が、幼年期ケコモンに退化。退化しても記憶は引き継がれてるのかな?

●アスカ:誕生日は6月6日の22才。第1話が5月17日だから、23才となる当日だと15日経過したことになる。2050念6月6日は月曜日、キョウが「来週アスカの誕生日」と言っているから11話のこの日は6月5日(日)かそれ以前と特定できる。わずか半月が、トモロウたちにとって怒涛の展開であったと思い知らされる。両親が逮捕されたのトモロウ10才(現在より少し幼く描かれていて、作画すごい)の時だからアスカは17才、一軒家を手放して(経済的な理由か、地域にいづらくなったのか)二人暮らしへ。18才未満だから、普通なら児童相談所が動いて児童養護施設に兄弟で入所するはず。18才未満にきょうだいの扶養義務はなく保護対象だから。なのでアスカが行政の介入を拒否して無理やり二人暮らしを選んだと思われる。高校中退、趣味のバンドもやめた。17才がそうまでして二人暮らしを選んだ理由は何だろう。

●トモロウの両親:トモロウはメンバーに家族のことを何も話していなかったというから水臭い。まあ、重い話だからね。離別の理由は、なんと国民保護省に突然逮捕されたという衝撃。それはトモロウの特異体質が理由なのだろうか?今どこでどうしているのだろう。トモロウの言うように、無実だと信じたい。トモロウは両親の逮捕もアスカの凍結も、自分のせいだと思っている節がある。そんな風に抱え込んで自分を責めないでほしい。

●キョウ:アスカの誕生日を記憶していたということは、かなり親密な友人。やはりデジモンがらみであろう、ただの友人ではなさそう。

元五行星だったという衝撃の事実。かつての属性は、火でも水で木でもなさそう。金か土か。五行星の時分はずいぶんとイッちゃってたようで、首のあざはその時代についたものと判明。古株のレーナも知らされていなかったから、あえて言わない事情があった模様。カイトにライバル視されていたようなので、昔も相当強かったしバトルスタイルやキャラも違っていたのだろうが、五行星という高い地位を捨てて自分のチームを立ち上げた、そしてファミリーと呼び大切にしているのには、大きなトラウマ体験があったのだろう。前回はファミリーのために暴力を振るったが、今回は頭を下げるというこの差は何?相手が強すぎるから?

トモロウをかばって意識不明の重傷。回復まで動けないとなれば、残りの三人で稼業を回すしかない。そこでゲッコーモンの進化がくるかな?

●クーガモン~ムラサメモン:初の進化シーン。

●レーナ:興味本位でトモロウのプレゼント選びに同行。プリスティモンに我慢をさせていた自覚はなかった、姉御がカバーしてあげてるんだろう。

●プリスティモン~ウルヴァモン:ずっと疑問なんだけど、外出時に隠れないのはペットに見えるから?レーナの給料で紅茶の店に行きたいと。風流ですなあ。「人間にとって誕生日は特別」と。レーナの誕生日はお祝いしてあげてるのかな。

●マコト:預かったゲッコーモンを抜け出させてしまう大ドジ。

●キロプモン~ナイトキロプモン:早速の戦力として、プロビデンススキャンでのサポ主の居場所の解析、レアモンからサポ主の回収と、ガスにやられたプリスティモンを救出。けれど毒ガスは強烈で、自身もやられ退化してしまう。それほど強力な毒ガス。

●忽那カイト:なんと五行星の一人目が初登場!強烈な存在感。属性は当然「火」と思われる。弱い者には興味のない凶暴な戦闘狂の性格で、キョウの首のあざ、キョウとは浅からぬ因縁がある模様。残りの4人とキョウの関係も今後描かれていくだろう。レアモンに手を焼いているところに現れ、一瞬にしてデリートする実力。キョウを「弱くなった」「落ちぶれた」「腑抜け」と軽蔑する一方で、それがトモロウたちのせいならデリートしてやろうかなどと強いキョウを取り戻したい発言も。「今のてめえ相手じゃ全然たぎんねぇ」、クロウォの「タギル」を想起します。ど熱いバトルをご所望。弱いものはクズという強さ至上主義者。確かに今のグローイングドーンでは、この五行星に太刀打ちできないのが悔しいけど現状。さて、残りの五行星は、どう絡んでくるのか楽しみ。CVは中村悠一さん。独特な低音ヴォイスのインテンション所属の大人気声優、ナレーター、You Tuber。デジモンではアプモンのカリスモンで出られた。

●フレアモン:獣人型の完全体。必殺技は、火炎と闘気から獅子のようなエネルギー波を打ち出す「紅蓮獣王波」、炎をまとった乱舞「紅・獅子之舞」、口から吐き出す衝撃波と火炎の「清々之咆哮」。レアモンを一撃でデリートさせ、あたり一帯を火の海にするほどの火力。冒頭でも、デジモンは消され古い遊園地は火の海であった。キャラの掘り下げはないが、戦闘に特化した、カイトと同じ実力至上主義と思われる。ムラサメモンとの手合わせは互角。しかしキョウが「ファミリーに手を出さないでくれ。頼む」と頭を下げたことで対戦は中断。CVは江川央生さん。デジモンでは無印のオーガモン、ムゲンドラモン、アドコロのオーガモン、リべりモン、ゴスゲのメタルファントモン、スカルグレイモンで出られた。

●レアモン:アンデッド型の成熟期。得意技はくさいガス、メタルガス、ヘドロ。家族に逃げられたサポ主・細田がやけになり不法投棄中にサポタマも投げ捨て、強い感情のe-パルスが流し込まれたことで誕生。毒ガスの威力が半端ない。こんなに強かったっけか?無印で光子郎組が単独で退治してたから。CVは大槻(おおつき)丈一郎さん。青ニプロのジュニア枠でワンピや逃走中などに出られていた。お名前に「丈」が入るだけで、親しみを覚えます笑。セリフというよりうめき声。

●細田:サングラスにランニングシャツ、いや全然ムキムキで細くはない体格笑。妻子に逃げられたのは何をやらかしたんだろう?だからって不法投棄は犯罪です。ネット見てると、妻子に見放される男がたくさん実在する。家事しない、育児しない、不倫、モラハラ、女性差別、児童虐待、障碍児差別、これでもかってほどに未成熟で自分勝手な夫・父親が現実にうようよいて吐き気がするよ。自覚がないからなお醜悪。細田さん、事情は知らんがあなたもそのクチでは?情けない取り乱しっぷりからも、人格の未熟さが見てとれる。やけになる前に、大いに反省すべき点があるのでは。CVは山口太郎さん。ゴスゲでエレファモン、ランクスモンで出られていた方。個人的にはエウレカセブンのハップが印象的。

●看護師:ゲッコーモンを顔面に食らった。気持ち悪そう、体臭とかするのかな?何をどうごまかしたのやら。CVは第2話と同じく石田碧さん。

●店主老婆:CVは鶴田真希さん、青ニプロ所属。ゴスゲの脇役で出られている。看護師・保険師の資格をお持ちとのことでびっくり。国家資格を持ちながらわざわざ不安定な声優業界にいるというのは驚き。

次回予告:次回のサブタイトルは「新しい家族」。アスカの傍らに座りうつむくトモロウ、退化したケコモンの困り顔。雨の中で紫色の恐竜デジモン?、戦闘体制のレーナとマコト、そしてケコモン。雨に濡れ立ち尽くすトモロウの決意。11話の後半編。湿っぽい暗さを超えて。

2025.12.20.  記

          もどる