DIGIMON BEATBREAK 第18話「自由の代償」感想
脚本:赤星政尚 演出:采野晴樹 総作画監督:浅沼昭弘 作画監督:川村敦子、小松こずえ、中野彰子、杜明〇 美術:神綾香、小野寺由惟 制作進行:鈴木百合 <2026.2.8 放映>
あらすじは公式によると「アジトの前で倒れていたパーカー男に鍋をごちそうしたトモロウたちだが、タクティクスが身柄の引き渡しを要求してきた。阻止しようとしたものの、コマンドラモンは捕らえられてしまう。その男には暗い過去があった」。コマンドラモンの自由とハルオミの地獄行きというあまりに大きな代償という哀しいサブタイトルでバッドエンド寄りの、ぎりハッピーエンド。未来の人間とデジモンの共生の難しさ。でもまたいつか、パートナーと再会できると信じたい。全ての人にパートナーデジモンがという02最終話の信奉者としては。
タクティクスはクリーナー業だけでなく、傭兵のような軍事的業務もこなしているよう。コマンドラモンはその優れた擬態能力を買われ、殺人のような特殊業務を任され手を汚してきた。人間がデジモンを悪事に利用する可能性のある世界。デジモン作品で「殺人」て、えぐい;任務より倫理観、罪悪感、コマンドラモンとハルオミの心労いかばかりか。タクティクスから脱走したのは、おそらくはその能力ゆえ正規の手続きでは退職を認められなかったのだろう。それで自由を求めて。空腹は事実だが、行き倒れは拾われるための芝居か。グローイングドーンの掟を知り、彼らに託せばコマンドラモンは自由になれると確信したのだろう。「コマンドラモンを盾にして自分だけが自由を得る」という芝居を打ち、トモロウの怒りを利用してコマンドラモンのデリートをチームセブンに印象付けた。その結果、ハルオミの指示を忠実に守り擬態し隠れていたコマンドラモンは捕まらず、代わりにハルオミはチームセブンに捕まり、セラフィの言う「地獄」へと送られた、満足の笑みを浮かべながら…。タクティクスは、実家に帰れないし、デジモンを利用して場合によっては殺人も強要し、退職を許さず、脱走すれば回収に来るという自由のないかなりやばい組織であった。
●トモロウ:ハルオミに、もう自分にとってはなじんだ「掟」を伝える。それでハルオミは驚いたがコマンドラモンを託す決心がついた(髪が風で揺れる描写)。ハルオミの真意を知らされず、コマンドラモンへの想いを誤解しハルオミを感情的に殴ってしまう。真意を知った時にはもう遅く、殴った拳が憎かったが、それはハルオミが自分が怒ることを信じてくれた証左でもあった。ハルオミの考えは深い。トモロウが怒るのは、それだけパートナーデジモンとの関係性を大事にしているってこと。
●ゲッコーモン:「一宿一飯のゾンビ」笑。前回の「おこもやき」といい、言い間違いはトモロウの語彙を継承してないのだろうか、ここ最近出番が控えめだったが、今回は進化してライトを追い詰めたのがかっこよかった。手を汚したと言うハルオミに、「洗ってもダメか?」とピュアな反応がかえってきつい。それは落ちない汚れだから。
●レーナ:さすが策略家のハルオミ、人を見る目がある。経験の深いレーナとマコトだけに真意を打ち明ける。
●プリスティモン:「働かざる者食うべからず」「敵を欺くにはまず味方からよ」それそれ。さすが、苦労人な姉御。
●吉村:サングラス取った素顔を初公開。わりと濃い顔、昔はモテたかもね。アロハもヴィンテージものというレトロ好き。古着でもヴィンテージなら高額。ガソリン車といい、それなりの経済力があると思われる。で、こんな危険な今回の作戦も有償で参加したのかな。設定では慎重180センチ。ハルオミは185センチ、パーカーのフードでごまかしが利くだろう。
●曽根ハルオミ:元タクティクスの、脱走者。25才、血液型がRHマイナス、好きなのは「揚げパン」。鍋じゃないのね、残念。面の皮が厚く口が達者だが、その実、作戦はち密な策略家、目的のために一芝居打つこともいとわない。コマンドラモンの心労に心を痛め、自分を犠牲にしてでも自由に開放してやりたかった。本当にパートナーデジモンを大事に思っていたんだね。ここでさえ地獄なのに、更なる地獄とはどんな扱いか、とても心配。それと隠してある蓄えは無事か?「トモロウたちとなら、人生をやり直せる。悪夢に苦しめられることもない。お前は、自由だ」。キョウに直接会わずとも(噂は聞いている可能性があるが)、グローイングドーンが「やり直せる場所」というのは直感したのだろう。CVは内山昂輝(こうき)さん、早大卒、劇団ひまわり所属の大人気の声優、俳優。代表作はガンダムUCのバナージ・リンクス、ハイキュー!の月島蛍などそうそうたる役柄。
●コマンドラモン:サイボーグ型の成長期。体表は特殊なテクスチャー加工が施しているため、周囲の色をリアルタイムに判断しあらゆる迷彩パターンを表示可能。そのためほとんどの敵は彼の存在に気づくことなく葬られることが多い。必殺技は、アサルトライフルから放つ「M16アサシン」、小型の爆弾「DCDボム」。ハルオミに見捨てられてデリートされたように思われたが、実は逆でハルオミがコマンドラモンを盾にするふりをして逃がした。幼年期はボムモン。
ハルオミのどんな感情から生まれたのか、生まれてほどなくタクティクスの任務に就いた模様。二人でのんびり釣りをするような時間は持ったことがないことから。その優れた能力と相反して、嫌いなことは「ケンカ」というやさしい性格でハルオミとは「一心同体」と感じている、忠誠と信頼。殺したくないなどと任務へのモチベーションが保てなければ、上にどう扱われるか分かったものではない。ハルオミの「何があっても絶対擬態を解除するなよ、いいな」という最後の言葉を忠実に守ったことで得られた自由。タクティクスに戻ればひどい冷遇が待っているとわかっていてのハルオミの自己犠牲。涙するコマンドラモン、それも成長期の姿を保てなくなり…コマンドラモンの最後の言葉は「また、会えるよね」。はい、そうであってほしいです。
CVは阪口大助さん、青ニプロ所属。代表作はVガンダムの主人公、あたしンちのユズヒコ、銀魂の新八。デジモンでは02のドラマCDでプクモン、フロンティアでトレイルモン、アプモンで八ックモン、ゴスゲでコタロウ、クロウォでイグニートモンで出られている。新八に聴こえて仕方なかったよ。
●ライト組:グラニット、ホタルコをフィーチャーした回の続きで今回ライトの掘り下げがされるかと期待したが、それはなかった。トモロウを甘く見て、今回もピンチに陥って、コマンドラモン捕獲の任務も果たせずいいとこなし。チームメイトとして尊重していないグラニット組にピンチを救われたのは皮肉。感情のコントロールを主張しトモロウを馬鹿呼ばわり。天才といえど所詮はセラフィの部下であって与えられた命令をこなすだけのちんけな奴。「次はない」ってよオイ。しかし、どうやって倉庫街へ呼び出したのか。グローイングドーンはチームセブンの連絡先を知ってる?
●ホタルコ組:マコトとの再会は気まずそう。母から片付けの顛末は聞いているだろうし。こんなブラックな組織にいて、家族に申し訳が立たないのでは。ティロモンが海竜型なのに水中でなく空中戦もイケる描写って何なんだろう。
●グラニット組:逃走車を妨害したり、アルマリザモンのライトへの強力な攻撃を防御する、盾として存分な活躍。
●料理:トモロウの荷物は長ネギ・人参・さしのない赤い肉・茶色はシイタケ?なのだが鍋料理はすき焼き?ビーフシチューかもと思ったけど、なら長ネギは違うし「鍋料理」とは呼ばない。ハルオミが一目見て鍋の材料と分かった食材なんだけどいったい何鍋?ハルオミはまさかの食い尽くし系、笑。3~4人前のはずで、お箸と小鉢がハルオミの分しか置いてないのは、ハルオミが鍋を人数分残す前提で提供したのだろう。 焼き魚、メニューはそれだけ。かなり食費がひっ迫していると思われる。
次回予告:次回のサブタイトルは「闇オークション」。檻の中の少女と小さなデジモン、紳士淑女がイズミと同じ白黒の仮面をつけてのオークション、おめかしして乗り込むロングドレスのマキとタキシードのトモロウたち、応対するクレイの目の陰り。マキのドレスとレーナのタキシードは見もの。
2026.2.10. 記