デジモンアドベンチャー第52話感想

デジモンアドベンチャー第52話「聖剣士!ホーリーエンジェモン」感想

脚本:まさきひろ 演出:川田武範 作画監督:出口としお 美術:飯島由樹子

ダークマスターズ最強のピエモン相手に、究極体二体でないと勝てないと判断した太一。ヤマトの帰還を信じて戦い、限界に達した時、ヤマトらが帰ってきた。さあ、ウォーグレイモンとメタルガルルモンで最後のバトルだ!

タイトルコールと飛び立つシルエットはホーリーエンジェモン。背景は、タケルのテーマカラーの緑色だ。

二大戦士を失った一行。逃げるほかはない。アンドロモンが子どもたちをかばい、丈先輩が年少者を逃がし、空がタケルにヒカリを守るよう言い含めて逃がし、皆命がけだがまんまと人形にされてしまう、悲しい。空中ブランコに、人の入った箱に剣を刺すマジックなど、これもサーカス仕様で小バカにされている感が不愉快。普段冷静な光子郎が逃がしてくれた丈に涙するのは印象的だ。両親に真実を告げられた時以来では。

ミミたちは、たくさんの仲間を連れてスパイラルマウンテンへ。どういう事情か、絶壁登りという試練。急いで!

タケル、守られる立場から守る立場へ。男が女を守るのが当然、これもこのご時世、微妙な描写。ゴマモンは残って戦うと言い空に叱られるが、ピエモンから一つだけ人形(ヤマト)を奪い空に渡し、空からタケルに渡し、タケルとヒカリは扉の外へ逃げる。奪い取ったのがヤマトの人形だったのは偶然か意図的か。ナイスパス、ナイスキャッチ。しかしそこは行き止まりで、空とゴマモンの人形を持ったピエモンに、追いつめられる。空とヒカリが色っぽい、竹田作画。

行き止まり。籠の中にロープが入っており(いったい何なんだこのロープ)、自然と天へ伸びたので、その縄をパタモン・ヒカリ・タケルは昇る。パタモンがエンジェモンに進化しピエモンと戦うが、攻撃をくらい地へ落ちてしまう。一時はイケそうだったが、成熟期では無理か。タケルは、僕がしっかりしなきゃと涙をぬぐいヒカリに笑顔を作るが、ピエモンは縄の上を切断し、昇ってきてタケルを捕まえる。ヒカリはタケルと手を絶対離さないという(タケヒカ派萌えポイント)。命がけの冒険を通して、タケルとヒカリの同い年ペアは仲を深めていき、02の関係性につながった。「光」「希望」どちらも抽象的な特性で、相通じるものがある。自分は、02感想で述べるが、タケルとヒカリはソウルメートだと考えている。年少時はヒカリのが背が高い。それを02でタケルが追い越すのも萌えどころ。ピエモンは縄の下を切断し、タケルとヒカリは地へ落ちていく。ひたすら絶望的な展開であったが、ここからは胸がすく展開に。

もうだめだと思ったタケルだが、ヤマトの人形を手にしてヤマトの「俺の弟ならどんなことがあってもあきらめるはずがない」というメッセージが聞こえた。それであきらめずにヒカリを、みんなを、世界を守らなきゃと希望の紋章が輝きエンジェモンがホーリーエンジェモンに超進化し(ここで流れる、例の必殺のテーマ曲がいよいよ来たという感じで心憎い)、タケルとヒカリを助けた。輝く8枚の羽根の、清らかで白く美しい姿!ホーリーエンジェモンはピエモンの白い布を聖なる剣で切り裂き人形を奪い返すと、ピエモンは一撃で落下する。待ちに待った完全体への進化、聖なるデジモンは暗黒のそれに対し圧倒的に強い、爽快。テントモンのうらやむコメントが可笑しい。

ホーリーエンジェモンのホーリーディスインフェクションの虹色の光で、人形たちは元に戻る(人形のキーホルダー、これはこれでかわいかった)。「そんなに死にたいなら」とピエモンは大量のイビルモンを連れ子どもたちを取り囲む。ピエモン、この時点でまだ勝算はあった模様。そこに、ミミたちがたくさんの仲間を連れ到着する。さあ、最終決戦だ!完全体にピエモンは総攻撃をくらい、ホーリーエンジェモンの金色のヘブンズゲート(ゲートにデジ文字があるが、一部解読不能)へウォーグレイモンのガイアフォースとメタルガルルモンのガルルトマホークで放り込まれてしまう。直接の肉弾戦でなく、こういう離れ業があったか。全くざまあみろだ。光が降り注ぎ、暗黒のエリアが消えてゆく。終わった。ところがゲンナイから届いたメールは残念ながら祝電ではなく。

●ホーリーエンジェモン:大天使型の完全体。デジタルワールドにおける法の執行官であり、天使型デジモンの監督監視する役目を持っている。左腕にはビームシールド、必殺技は、右手の聖剣エクスキャリバーで空中に発生させた円形のゲートの亜空間に敵を吸い込み消滅させる「ヘブンズゲート」、羽から七色のオーラを放ちかけられた呪いを解く「ホーリーディスインフェクション」。「出番が少なく不遇」との評を見かけたが、私としてはめったに出ないのでありがたみを感じるのだが。

●ピエモン:道化師というだけあって、サーカスにまつわる技を多用、しかも敵を小ばかにした技ばかりで腹立たしい。メタルガルルモンに火の輪くぐり、ウォーグレイモンに玉乗りをさせ、果ては手品のように、なんと白い布でウォーグレ・メタガル・太一・ヤマトを人形のキーホルダーにしてしまう。それも「コレクションとして生かしてやろうとした」だけだといういやらしさ。ホーリーエンジェモンの登場は「なに?!」と驚いているから想定外だったよう。そんなに死にたいなら望み通りにしてやる、と本当に口の減らない奴。個人的には、ゴマモンを踏みつけたのが許せん!

●イビルモン:気が強く負けず嫌いな小悪魔型の成熟期。弱いものをいたぶる卑怯者。ダークエリアに住む暗黒系デジモンの源とされているが、まだ謎は多い。必殺技は、口から出す超音波で悪夢を見させる「ナイトメアショック」。外見から映画「グレムリン」のグレムリンがモデルと言われる。

●ゲンナイ:ケンタルモンとともに、遺跡の予言にあった火の壁に直面。その向こうから敵は来たという「信じられん」。終わったと喜び合う子どもとデジモンたち。しかし意外なメールがゲンナイから届く。「本当の敵は存在そのものが世界を歪ませる生き物で、ダークマスターズはその歪みのせいでパワーを得たに過ぎない」と。そりゃないだろ!もう何なの?”真の敵とは?!ゲンナイに対する太一の態度はいつも失礼で、可笑しい。

次回予告:ついに現れた真の敵、全てをデータへと分解するその巨大な闇の力に、子どもたちは打ち勝つことができるのか…

2025.7.29. 記

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