DIGIMON BEATBREAK 第2話「グローイングドーン」感想
脚本:山口亮太 演出:小松由依 作画監督:近藤瑠衣・諸葛子敬・酒井夏海・洪 範〇(変換できませんでした) 総作画監督:小島隆寛 美術:神綾香 <2025.10,12 放映>
●トモロウ:相変わらずゲッコーモンを「トカゲ」呼ばわり。きちんと呼んでくれるタイミングに期待。ゲッコーモンの生みの親、サポ主の自覚はなく、ゲッコーモンのお世話は自分事でない、命の恩人という認識もなく冷遇。それでも根が善人なので行きがかり上「後味が悪いから」と一緒に連れてキノコ団から逃げるも苦戦。心配したキョウの配慮で駆け付けたレーナとマコトがキョウの仲間と知り、キノコ団は退散。
ヒトミをファーストネームで呼び捨てにしているのが自分的に違和感。単に苗字がインプットされていないからか?第1話で「初見」と書いたが、顔見知り程度の親しさであったなら呼び捨てもあり得るかと。ヒトミが狙われたことへの自責の念で気分が不安定となり、ゲッコーモンも力を出せず。
幼少期のCVは川口桜さん。
ハイエモンスカーに襲われた挙句、謎のデジモンに吹き飛ばされ意識不明に。目覚めるとそこは、荒れ果てた海岸沿いにあるグローイングドーンのアジトであった。望んで産んだのではないゲッコーモンがまとわりつき、両親はおらず(死んだのでなく離れ離れでいる様子)、兄は凍結状態で、賞金首になってしまい、クリーナーには追われ野良デジモンにも襲われる。キョウのチームに加わる選択肢しかない苦境。でも、一人じゃないよ。冷酷な現実を少しずつ噛み砕いて前へ進む。がんばれ!
●ゲッコーモン:病院から一旦自宅へ戻ったトモロウを追って現れる。「トモロウの居そうなところは何となくわかる」というのが、一卵性双生児のようでかわいくも神秘的。トモロウに「生みの親」「薄情者」「命の恩人」などと言い、生まれたての成長期だが、無印のなり立て成長期に比べ、案外知識と語彙力がありそう。
キクラゲ料理を散々食っておきながら、食事でなくe-パルスでないと腹が満たされないという困りものの大食家。マコトによると人間の食べ物を食べるのは変わっていると。ゲッコーモン以外のデジモンは確かに料理に手を付けない。こうしたイレギュラーな特性のある新種のデジモンは、バグが起きる限り今後も増えていくのだろうか。
キノコ団の見せた手配書によると「LEVEL:ROOKIE(初心者) TYPE:REPTILE(爬虫類) ATTR:DATA(データ)」、500クレジット、と。バグから発生したデジモンを国民保護省に届け出なかったから、トモロウとゲッコーモンは逃亡とみなされ手配されていた。
完全体かそれ以上の強さの謎のデジモン相手に成長期が「トモロウに手を出すな」と必死の戦意がいじらしい。そこへキョウが助けに入って何とか無事に。進化するのか期待したが、トモロウの精神状態が不安定なので、力が出し切れていない模様。結局今話でも主人公なのに成熟期へ進化はしなかった。焦れますなあ。
●キョウ:アスカを救うのに「大猿」の行方を探るためにも、トモロウをグローイングドーンに誘う。しかしトモロウは、身元引受人というより単なるクリーナーの人手補充と捉え猛反発。だが兄の覚醒と今後の自身の生活に、他に当てがあるでもないという苦悩が。謎のデジモンに追い詰められたゲッコーモンを寸でのところで制止、またも遅れてのカッコいい登場。セリフも逐一カッコいい。
ところで、キョウのエプロンが薄ピンクに動物の顔というかわいいものなのは、一応想定内。
ネットの情報によると、キョウも凍結後のアスカと同じく瞳にハイライトがないこと、首に謎のあざがあることが指摘されている。この考察はしばらくネットを見てみようと思う。自分が気付いたことではないので、今はこのサイトでは書かない。
トモロウが目覚めた後、魚介の調達か、漁から戻ってきた模様。チームをグローイングドーン、「発育盛りの・発展中の」「夜明け」と名付けた意味は?キノコ団のようなチームのユニフォームはないんですね。
●アスカ:食事に手を付けず激怒するトモロウ。トモロウは、殺されたと認識していたが誤解だった。はあ、よかった~と安堵するもさてはて。連れていかれた巨大な総合病院「WORLD UNION HOSPITAL」のコールドハート事件の被害者の特別病棟に入院していた。通常は入院の手続きを本人ができない場合、戸籍上の家族が代行する(こういう時、事実婚や同性カップルは冷遇される。近未来の日本でどうかは知らないが)。家族がいなければ、ケアマネとか病院の相談員が何とかする。よくも家族ではないキョウがすんなり入院手続きや面会できたものだ。被害の事例が増えており、ワールドユニオンにとって厄介ごとだけに、クリーナーがどう関わるかとかいったその辺のルールがもう整備されているのだろう。
けれどアスカはベッドから身を起こし意識はあり開眼しているも呼びかけに無反応、瞳にハイライトはない(医学的に既存の昏睡レベルスケールでは説明できない病状)。15才の号泣。復活させるには一縷の希望あり。デリートされたハイエモンスカー、だがサポタマが残っておりその中のアスカのe-パルスを大猿から取り戻せば目覚める可能性があると、キョウは言う。可能性、でしかないのが何とも心細い。キョウとは古い友人で、トモロウを預かるよう願い出たらしい。「夕べ久しぶりに連絡をもらって」とアスカは言うが、こんな大ごとを久しぶりの電話一本で決めるのには私は疑念がある。自分的には、単なる親しい友人ではなく、デジモンがらみの、頻度のある関係性であったと予想する。
幼少期のCVは金本涼輔さん。個人的にはハピネスチャージプリキュア!の相楽誠司が印象に残る。
●マコト:ゲッコーモンがトモロウを呑み込んだのをキロプモンの視界を通して目撃。この機能、便利。ということはキロプモンは夜行性コウモリのような視力の弱さはなく昼行性並みと思われる。無印で光子郎がホエーモンの中で、パソコンでホエーモンの視覚情報を可視化したのが思い出される。黄色いサングラスが何なのか詳しい解説を希望。ゲッコーモンはまだNO DATAの状態で名前すら不明。しかもe-パルスが尽きることを考慮しない爆走ぶりにマコトたちは驚く。
「面倒くさいこと担当」(レーナ弁)。チームの洗濯も担当しているらしく、レーナに長袖は伸ばして出すよう忠告する几帳面さ。ボタンをはずさないとか靴下を裏側で出すとかされて、洗濯の準備って本当に面倒だからよくわかります。レーナはハイハイと受け流す。共同生活をしている実感がわく描写。
●レーナ:倒れているアスカを保護するも、手遅れであった。移動の際はウルヴァモンに進化してアスカを運んだ。さばさばと気さくな性格で、年下の中性的なマコトを「マコっちゃん」と呼称。1才しか違わぬトモロウも「お寝坊さん」呼ばわり。それでも若干16才の少女、男性と共同生活って入浴とか生理とか困らないのかな。
●ウルヴァモン:「さて、次、誰焼く?」キノコ団に凄みを利かせる姉御肌。設定によると、幼い頃からレーナと家族同然に育ったと。じゃあずいぶん幼いうちからチームに参加していた?レーナの参加のいきさつも、マコトとともに気になるところ。
●キロプモン:「記録しなくては」が口癖のよう。設定によると、オタク気質で気になるとチェックせずにはおれないという。頭脳派のマコトといいコンビそう。
●クーガモン:ムラサメモンの成長期。獣人型から四足歩行の獣の姿に。もふもふがキュートだが、勇ましい容姿。北米に生息する大型のネコ科動物・クーガーが由来か。アジトでは専用のソファーで寝ていた。完全体への体力温存のためと思われる。ムラサメモンは今のチームにとって一番の頼れる戦力。
●謎のデジモン:ウルヴァモンによると、完全体かそれ以上。データはロックされており、サポ主も今不在で単独行動。ムラサメモンも、一撃とはいかず死闘。「大猿」と呼ばれているが、ファンの中にはもう正体を知る方もいるよう、ゲームに登場してるとか?今後謎が解けるであろう大物キャラか。ムラサメモンと息をのむ死闘を繰り広げたが、決着は付かずに消えてしまう。CVは大御所の山路和弘さん。声優業界で慕われ、関智一さんや津田健次郎さんが「尊敬する人物」として挙げているという。自分は下世話な人間なので、「朴璐美さんの配偶者」という認識が強いです。
●シイタケ:湾岸エリアのクリーナー集団にしてお笑い担当の「キノコ団」のメンバー。キノコの名前まんまじゃん;キノコの姿のシャンブルモン(マッシュモンの亜種個体、成熟期)1体、マッシュモン(成長期)2体を連れていた。コミカルなBGM笑。「キノコ団特別講座~サポタマからデジモンが発生した場合のQ&A~」なる自作のフリップを持参、芸人かよ笑。講義という形で、国民保護省と賞金首の設定が解説される。ゲッコーモンの鼻ほじりはこの時。退屈するだけの知性と余裕がある。にしても、チーム自体は雑魚だがゴスゲにも出ていたシャンブルモンの技は相当厄介ですね。
CVはクロウォでフライモンで出られた名バイプレーヤー、沼田祐介さん。
●シメジ:CVは無印のエレキモン等でおなじみの高戸靖広さん。
●エリンギ:3名ともキノコだけに髪型もマッシュルームカット笑。チームのユニフォームは黄緑のジャージ、ダサっ。CVは幸野善之さん。クロウォでエテモンで出られた、名バイプレーヤー。
●ハイエモンスカー:アスカの落下地点にはすでに不在で、そののちトモロウに後ろから襲いかかる。凶悪でしつこい。アスカのことを「ただのエサ」と冒涜。まさかの進化と思ったら、謎のデジモンに一撃でデリートされてしまう。
●ハイエモンピアス:俊敏なゲッコーモン相手に苦戦し、アスカをやったのは兄貴だと弁明。スカーと対照的に、エサの人間の名前を記憶していた。それはヒトミ…。犯人はやはり彼だった。「味はイマイチだったぜ」とこれもヒトミを冒涜。散々な雑魚兄弟。トモロウがヒトミのサポタマを触ったせいでトモロウのe-パルスの旨そうな匂いがヒトミに移ってしまったのが、ヒトミが狙われた原因であった。自責するトモロウ。e-パルスって、匂いがあるのね。それはデジモンにしか感じられないもの?ちなみにヒトミの自宅はマンション?天馬家より裕福そう。
●看護師:白衣こそ着ており清潔感ある結い髪なものの、ナースキャップはない。今までデジモン含め多くのアニメが看護師のわかりやすい記号としてナースキャップを描いてきたが、医療の現場ではずいぶんと前から複数の理由でキャップはほぼ廃止されているのに。やっと近未来のアニメが現実に追いついたか。ちなみに白衣でなく様々な色の看護師制服が現実には普及している。また、ワンピース型でなくパンツスタイルも普及している。ちなみにカーディガンだが作品内ではライトブルーだが、現実には私物が多く、色を白・黒・紺色に限定する職場も多い。ただ、02の未来でデジモン医師となった丈の傍らのゴマモンのナースキャップはかわいいので許す。CVは石田碧(あおい)さん。青ニプロのジュニア枠。
●アイキャッチ:第1話と変わった点は、トモロウではなくゲッコーモンの登場。やはり後半のみである。唾液の滴る舌でドラムスティックを持つゲッコーモンの逆さまのショット。背景はどピンクに黒字で「DIGIMON BEATBREAK」。この2パターンで行くのか、まだ他にもあるのか。私、アイキャッチを秘かに楽しみにしています。
●料理:「料理作画監督」が就くという力の入れようが熱い。今どきはグルメ漫画・アニメも定着し、料理の描写は精緻を極める訳だからそれくらいしないといけないか。OPはスパゲティミートソースなど数品が並び、各自に白飯?とレンゲの入った深皿(白いスープ?デザート?)が。そして本編で、一皿目は中華で大皿から取り分ける玉子とキクラゲ炒め(彩りにニラと、もやしも入っている)に、白米と汁椀が各自に。二皿目はイタリアンというより和風アレンジと思われるキノコのバター醤油スパゲッティー。キノコつながり。シメジと玉ねぎと小口切りの青ねぎを散らして。添えられたのはこれも和風に冷たい緑茶と思われる。
キョウは料理好きという設定だが、高価なグルメというより庶民的な料理が得意というかよく作ると推測する。「ボナペティート」は直訳すると「良い食欲」というフランス語からきた「召し上がれ」「食事を楽しんで」という意味。キクラゲ炒めに手を出さないトモロウにプリスティモンが「(苦手な食材は)作る前に言わないと」と言うのは、調理者への敬意が感じられ好感。食べることは生きること、アスカのためにも食べるよう優しく勧めるキョウにも好感。皆がいただきますの祈りを捧げるのも好感。キョウの食事に手を付けることはトモロウにとって、グローイングドーンへの加入の意思と見てよい。今作において食事シーンは大切と思われる。今後も旨そうな料理が出てきそう。古来から民俗学的に食事を共にする行為は異種族が絆を深める重要な手段だ。食べ始めたトモロウに微笑するレーナとマコト。もうチームの一員だ。ラストシーンは夜に灯りのともるグローイングドーンのアジトと、対照的なシャングリラエッグの灯り。
回想に出てくるアスカの料理はトモロウの好物のハンバーグ。デミグラスソースやチーズでなく、茶色の透けたソースだから和風か照り焼き風味と思われる。もう一つの回想のホールケーキは苺とホイップのオーソドックスなもの。第1話感想で「小学生」と書いたが、ろうそくは3本なのでこの時トモロウは3才と思われる。背景にピアノがあるから、音楽好きの一家と推測する。自室にはラジカセもアコースティックギターもビートルズらしきポスターもあった。レコード盤といい、レトロな趣味。というか、エアコンが無く扇風機だけなんですけど。今どき生活保護世帯でもエアコンついてるよ。どんだけ昭和かよ。
次回予告:まだ決着のつかぬ賞金首のハイエモンピアス、行方を捜すトモロウ、短髪のやり手そうな美女。サブタイトルは「合わせ鏡」。出たよ宮元氏の語っていた合わせ鏡。
2025.10.13. 記