第5話「ダークタワーを倒せ」
脚本:吉田玲子 演出:芝田浩樹 作監:伊藤智子
塔を壊せば、進化もできるしイービルリングの効力もなくなると知り、子供たちは塔を壊す決意をする。
カイザーは雪のエリアにおり、ギザモンに鞭打って牢獄作りのため働かせている。ゴマモンが止めると「こいつを倒した奴は楽にしてやる」とけしかけ、ゴマモンは倒されてしまう。しかも「楽にさせる」とはギザモン(成長期)たちにイービルリングを付ける事だった。ゴマモンは必死に這い、テレビの前で丈の名を呼ぶ。丈のデジヴァイスが光り、丈は和世田進学塾の数学のテストがあるのに塾を休み、走っていく。
大輔が引き止めたが、伊織は今日は週一度の剣道の稽古だからとパソコン教室に行かずあっさり帰っていく。パソコン画面のデジタルマップの、一か所が赤く光っており、黒いエリアも増えている。ウパモンは伊織が来ないので不満。
警察の道場で伊織はおじい様(富田耕生さん)と稽古するが、ウパモンの事が気になり集中力に欠ける。それを主税に指摘され、「お前の剣はまっすぐすぎる、浩樹もそうだったが・・」と言われる。休憩をとり主税はチュー×2ゼリーを勧めるが、伊織はこれで帰りたいと許しを請う。主税は「行きなさい。今何をすべきか、選ぶのはおのれ自身じゃ。そして選んだ己を信じなさい」と伊織を送り出す。伊織は、主税に心身とも鍛えつつ深い配慮で大切に育てられているのがわかる。
パソコン教室に駆けつけたのは、伊織でなく丈だった。ウパモンがっかり。丈は例のごとく準備がいい、必要な物を買い込んで来てくれた。伊織が到着し、丈に自己紹介を始めた時点でゲートが開き、子供たちはデジタルワールドへ向かう。「選ばれし子供たち、出動!」気合入ってます京。礼儀正しい伊織は、デジタルワールドに着くと自己紹介を再度行おうとする。ポッ!カイロをみんなに配る丈。京がカイロを落とし、解けた雪の下にゴマモンを発見し助ける。ゴマモンをいたわる丈(身長が伸びただけに、ゴマモンが余計愛らしく見える。)を見て、アルマジモンは「俺がSOS出しても、伊織はきっと来てくれないだぎゃ」とすねる。ここにもダークタワーが。しかし雪原のかなたにあり、丈が何とロープまで持ってきていて、大きなそりを作り出発する。
しかしそれがカイザーに知られ、ユキダルモン(成熟期)の列がそれを阻む。丈は、戦わずにユキダルモンをすり抜けて逃げ、タワーを倒そうと指示する。ユキダルモンが雪崩を起こし、それを避けようとそりは走ると谷が。谷を必死で渡ると今度は絶壁で、伊織が崖の下の川へ落ちてしまい、ゴマモンが助ける。洞窟でたき火し、冷え切った伊織に丈が風邪薬を飲ませる(どんだけ準備いいんだ・・)。伊織は休ませて皆で行こうとすると、稽古を休んでまで来たのだから行きますと伊織が言う。でも、誤解の解けたアルマジモンが親身に心配してくれ、待つことにする。
アルマジモン「伊織、さっきは悪かったなあ、剣道の稽古を途中でやめてきたんか」伊織「いいんだ、僕がこっちに来たかったんだ」丈「僕も今日、塾の実力テストさぼっちゃったよ。でも仕方ないよね、そうしたかったんだから。選ばれし子供たちなんて言われてるけど、ほんとは僕たちが選んでるんだよね、何をすべきか、何をしたいか」。いいよな、この3人。言葉が主税の言葉と重なり、思いを深める伊織。3年前の冒険で自分の道を見つけた丈先輩の穏やかな口ぶりが、説得力ある。
そこにカイザーとシェルモン(成熟期)が現われ、丈はカイザーを引き付けて長引かせるためゴマモンに戦ってもらう。アルマジモンも進化しディグモンとなって、身を挺して伊織を守る(それを見てうらやましそうなワームモン)。中足で伊織を抱き、ゴールドラッシュを発射してシェルモンの黒い輪は破壊したが、今度はエビドラモン(成熟期)が現われる。海に引きずり込まれるディグモン。
火炎系のフレイドラモンはユキダルモンと戦い、ネフェルティモンのカースオブクイーン、ぺガスモンのニードルレイン、ホルスモンのマッハインパルスでタワーを倒すのに成功する。そこでゴマモンがイッカクモンに進化し、ディグモンを助けてエビドラモンを倒す。
このエリアは、ゴマモンが守ることにする。みんな帰ろうとすると、伊織「あの、ずっと気になっていたんですけど、あらためて・・僕、火田伊織です」と律儀に挨拶する「一度やりかけたことは、ちゃんと最後までやらなくてはいけませんから」ヒカリ「伊織君て丈さんに似てる、そういう律儀で誠実なところ」タケル「光子郎さんにも似てるよ、知識欲が旺盛なところ」(う~ん後者はどうでしょう・・)。誠実のデジメンタルを受け継ぐのは、伊織だろうことがここで予想される。すっかり丈と打ち解けた伊織、今度うちでおはぎを食べようという話で盛り上がる。
久々に丈ゴマの回でうれしい。出番は少ないが、丈の存在感は大きい。伊織も最年少のあどけなさと真面目で誠実な人柄がいい感じで、02では丈先輩に次いで好きになった。誠実コンビの活躍がうれしく、心あたたまる回でした。