デジモンアドベンチャー第8話

第8話「闇の使者 デビモン!」

脚本:西園悟 演出:角銅博之 作画監督:出口としお 演出助手:地岡公俊

タイトルコールはデビモン。 ファイル島が絶海の孤島だと子どもたちが知ったのがデジタルワールドに来て5日目。ラスボス・デビモンの登場とともに黒い歯車の正体が明かされファイル島編の大きな転機となる回。「選ばれし子どもたち」という言葉は、ここで初めて出た。
シリアスな回でもあるのに、随所にユーモアも効いており(太一の地図、アグモンのおなら、テントモンの電気風呂発言等々)、非常に良くつくられた回。特に皆が生き生きとしたごちそうのシーンとお風呂のシーンが心に残る。肉の塊、ローストチキン、ハム、ソーセージ、チーズ、サンドイッチ、ピラフ、パン、果物・・・おいしそうで見てて楽しい。裸や肌着姿の子どもたちの設定も個性があり興味深い。女子のお胸がまだ平らなのも物語上案外大切だ。第二次性徴が現われてしまってからでは成立しない冒険と思う。「ワンピース」が公式には恋愛の要素を一切排除しているのと同じく。夢が一瞬にして消え、ファイル島で最悪最強のデビモンに翻弄される子どもたち。

●太一:リーダー気質でまたも状況を俯瞰しようとの試みであろうファイル島の地図を描くが大不評、図工が不得意と判明。僻地で電源が取れないという設定で、まだ光子郎のあの図面は出てこない。風呂では頭ぼさぼさ、飛び込んで喜ぶ小5の無邪気さ。デビモンに「選ばれし子ども」と呼ばれる。子どもたちの中で唯一、海の向こうにこの島以外の世界があると知らされ驚く。最後にレオモンを呼ぶ絶叫が印象的。

●丈:孤島と知って「どうすればいいんだー!」と絶叫したり、洋館(ナレーションではコテージと表現している。別荘の手頃版のようなニュアンスか。)を見つけ、この期に及んでまだ「人間が住んでるに違いない」と言っているところは現実逃避だが、レオモンもオーガモンも助からないと判断して「ついてる」と喜んだり、洋館を寝場所に決めたり、誰より先にごちそうに食らいついたり、責任感のストレスからか開き直ったようなところも見せる。温泉地の卵の時とは大違い、場慣れしてきた感がある。だがデビモンの罠である天使の絵にまんまと騙されてしまう張本人;「こんな美味い料理、生まれて初めてだ」って言ってるけど、「未知へのアーマー進化」で時価の特上寿司食べてるよね城戸家・・・。食べ盛りの男児3人抱えて過去には団地住まい、昔は質素だったのかな。丈先輩の全裸《*^^*》・・・照。最年長だもの、前を隠したくもなるよね。この菊池さんの演技がまたほんとにはずかしそうで可笑しくて上手い!寝室では「(林間学校)‘みたい’じゃないよ、そもそも僕たちはサマーキャンプに来てたんだ」とまたも地雷を踏んでしまう。こう見て行くと、この回ずいぶん動きがあるのが丈先輩ファンとしてうれしい。

●ヤマト:常にタケルの心配をしており、また一行の様子を冷静に把握しようとしている。

●タケル:天使の絵に見入り、パタモンに「天使って何?」と聞かれるのがエンジェモン登場を暗喩している。パタモンが最後までこの絵に見入っていたのもそうだ。

●ゴマモン:女風呂に入って大顰蹙。デジモンに性別はないっていうことだけど男湯・女湯一応別れるんだね。パルモンに放り出され、丈先輩と激突。ゴマ丈ファンにはおいしいシーン。

●レオモン:誇り高き正義の勇者である成熟期。声は平田広明さん。ムゲンマウンテンの黒い歯車を憂慮し動き出すが、デビモンのデスクロウに操られてしまい子どもたちの脅威に。太一のデジヴァイスに触れ「邪悪消滅」。何のことかわからぬ太一に選ばれし子と告げ、太一をかばって逃がす「君たちはこの世界にもたらされた唯一の希望なのだ、生き延びてくれ!」。ええっそうなの?!!何やらこの先の冒険の深刻さを暗示している。子どもたちが異世界に呼ばれた事情を理解しているのはレオモンとデビモンだけなのか。

●オーガモン:野性的な悪ガキな成熟期。声は江川央生(えがわひさお)さん。悪玉にしてレオモンの最大の好敵手、力はきっちり互角。

●デビモン:声は塩沢兼人(かねと)さん、不慮の転落事故による脳挫傷で2000年5月10日逝去、享年46歳。CD「デジモンアドベンチャー 好敵手(テキ)キャラソングファイル」の収録の後すぐ亡くなられたと聞いている。暗く静かで上品なお声が、デビモンにぴったりだった。デビル(悪魔)よろしく全身黒尽くめに角と牙と破れた翼、赤い目の恐ろしくもある種特段の風格ある成熟期。残忍冷徹にして狡猾、技も残念ながら同じ成熟期のレオモンより一枚上手。ファイル島を黒い歯車で埋め尽くした上、さらなる世界征服を狙い、子どもたちを離散せしめる。

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