デジモンアドベンチャー02第8話

第8話「デジモンカイザーの孤独」

脚本:西園悟 演出:梅澤淳稔 作監:八島善孝

完全体のアンドロモンは、イービルリングでは十分に操れなかった。次はどうすれば・・・

大輔はサッカー部の練習、太一も認めるナイスプレー。背番号は18。次の日曜日、東京都少年サッカー大会で優勝した田町少年F.Cと練習試合というので、大輔はあの天才少年・一条寺賢の事をパソコン教室で京に調べてもらう。賢は少年サッカー界では有名で、戦えるだけでワクワクすると、闘志満々の大輔は言う。ヒカリに話しかけられてもデレッとしてないのは珍しい。京が賢のサインを欲しがり(25年後にああなるとは思いもせず^^;)(というか以前はプログラムぐらい私にも書けると反発してなかったっけ?)、結局みんなで大輔の応援に行く事に。

サッカー場には、皆と太一が来てくれている。ポロモン、京に引っ張られたり押しつぶされたりご苦労様。賢は取り巻きの女子がいるほど大人気だが、姿を見せない。チームメイトによると、忙しい身だから来ないかもしれないという。太一は大輔に気を抜くなと助言。試合が始まった(挿入歌は和田さんの「僕は僕だって」)。前半はお台場1対田町0で、太一は守りに入るなよと大輔に喝を入れる。大輔は、ハットトリック決めると自信満々。賢がいないと全然ダメじゃん、田町F.C。休憩時間にタクシーで到着した賢は、大輔たちの見慣れた顔に驚くが、すぐ冷笑を浮かべる。背番号は7。

大輔と賢は名乗り合い、後半戦が始まる。賢はすばやく1点を取り、太一に「ユースの代表クラス」と言わしめる。タケルは「周りが見えてる」とコメント、バスケットを彼がしていることが判明。後半戦は今、お台場0対田町9と逆転。10点目を賢が決めようとした瞬間、大輔がスライディングアタックし賢のシュートが失敗する。ここは、大輔と賢の関係性を表す象徴的なひとこまだ。キックのせいで賢の右足をケガさせてしまった大輔は、賢に謝りに行くと、賢「君こそさっきのプレーは見事だったよ」大輔「あそこまで点差がついたら司令塔を狙うしかないってヤマ勘張ってたんだ」ケガはたいしたことなく二人は握手して別れる。賢の手は白い。

帰り道、大輔は天才少年に名前をおぼえられたことがうれしく、負けでもさばさばしている。最後のスライディングアタックを皆に褒められる。実はその姿を、賢は悔しがるが冷たく笑いながら見送った。

パソコン教室で京は、大輔に間接握手を求めるが、できない(美意識が許さないらしい・・なんか第6話を思い出す)。伊織がパソコン画面に黒いエリア(デスバレーという何もない場所)を見つける、昨日はなかったのに。早めに手を打つ方がいいと、子供たちはデジタルワールドへ。ダークタワーへ向かっていくと、大輔とブイモン以外は地面の下の暗闇へ落ちてしまう。それはカイザーの罠だった。

大輔がカイザーの指示で進むと、みんなが縛られ吊るされていた。みんなをデルタモン(成熟期・好物は三色パン、わかりやすっ)のエサにしたくなければ土下座しろとカイザーは言い、大輔は迷わず土下座する(うわ~いじめ方としてベタだなあ・・おっさんくさい)。さらにカイザーはブイモンに大輔の頭を踏ませ、挙句に砂時計が落ちるまでに助けたい者を一人だけ選べ、でなければ皆殺しだという。いわゆるドSですな。真面目に言うと、両親からの微妙な精神的虐待の被虐待児。

砂時計が落ち切り、誰も選べない大輔は、自分を食ってくれという。デルタモンに襲われる大輔を、みんなが助けに来た。吊るされていたのは操られ化ていたバケモン(成熟期)だったのだ(それにしては子供たちのセリフがもっともで、すごい演技力)。カイザーに怒られてるけど、ワームモンむしろ4人と4体をよくこれだけの時間拘束できたな、どうやって?

カイザーの指示が的確なので、バケモンたちにみな苦戦する。大輔は実力行使に出て、カイザーに力ずくで飛びかかる(カッコイイ!)。フレイドラモンのファイヤーロケットがデルタモンのトリプレックスフォースを破り(カッコイイ×2!)イービルリングを破壊する。指示が出ずに動きの鈍るバケモンたちのイービルリングをぺガスモンがシューティングスターで、ダークタワーもホルスモンのテンペストウィング、ネフェルティモンのロゼッタストーン、ディグモンのビッグクラックで破壊する。

「二度も」とのカイザーの言葉をいぶかる大輔だが、カイザー「君がいざとなれば周囲には目もくれず司令官に突っ込んでくる奴だってこと忘れてた」カイザーの右足のケガと、サングラスを外したカイザーの顔に、すべてを悟る。今日のところはと負けを認めエアドラモンに乗って去るカイザー。一乗寺賢が、カイザーだったなんて・・・ 「俺、お前のこと尊敬してたんだぜ、同い年なのにすごい奴だって。なのに、何でなんだよー!」

大輔がサッカーに向ける態度はキリリとして、主人公の面目躍如な回だった。賢を尊敬し認めていたから、なぜこんな間違ったことを平気でするのかという疑問を持ったし、改心後の受け入れも早かったのか。

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