デジモンアドベンチャー02第10話「敵はメタルグレイモン!」感想
脚本:まさきひろ 演出:川田武範 作画監督:清山滋崇 美術:飯島由樹子
DWの征服に専念するべく現実世界に帰ることをやめ他デジモンカイザーこと賢。太一のアグモンを配下にしようとするが、制御できずスカルグレイモンになってしまった。イービルリングの限界を知ることに。
タイトルコールは太一、シルエットはメタルグレイモンを従えたデジモンカイザー。
●太一:雨が気分の悪さを加速させる。御台場中、時刻は2時55分、数学のテスト中だがアグモンが心配でならない太一。解答欄が全く埋まっていない。時刻は3時20分、パソコン教室に集まる大輔、ヒカリ、タケル。遅れたのは、クラスメートのいたずらが原因だが、太一は苛立ちを隠せない。京が来ないのも、探してこいと大輔に当たる。京の様子に、怒ってるわけじゃないと言いつつも気が急いている。皆を危険に巻き込みたくない、最悪ヒカリと二人だけで行こうと思ったと。そこは天性のリーダーの側面。
「まったく俺もナメられたもんさ。小学生にコケにされるとは思わなかった」悔しさがにじむ。成長真っただ中のこの年頃の1~2才の差はとても大きい。ブラコンのヒカリにさえその怒る様子は尋常でなく映る。
ロコモータウンに到着すると、汽車が走ってきてアグモンが乗っており、再会には安堵した。アグモンを抱きしめると傷が痛んで、痛々しい。いずれ決着をつけるが今はアグモンの保護を優先する方針であった。
「覚悟できてるんだろうな」に対するカイザーの言い草が最高に生意気「フフ、中学生のお兄さんが小学生相手にカッカするなんてみっともないですよ」、笑。
●大輔:カイザーが太一のパートナーと知っており標的にしたことに憤慨。アグモンはすぐ見つかると言って、太一に気休めと叱られ、しょげる。紋章の継承者としての思い入れがあるからこそ、太一は大輔に期待というか甘えがあるのかも。戦意満々で、一旦引き上げようと言うヒカリを突き飛ばしたのは意外。大好きなヒカリちゃんを大事にしないと。太一の説得に「太一先輩がそう言うなら」と、太一の発言は大輔にとって絶対的。
●京:訳あって、集合できず佇んでいた。入室するも表情は晴れない。強制ではない、行きたいから行く。ポロモンにまで「そんな気持ちで行ったってみんなに迷惑をかけるだけ」と手厳しく忠告される。代わりにヒカリが出動のコールをした。一人洗面所で鏡を見つめ「相手が本気出してきたんだから、ピクニック気分のままじゃいけないのよね」わかっちゃいるが。ええ?今まであなただけピクニック気分だったんですかと逆に驚いた。洗面所から教室に戻ったら、気持ちを切り替えており、決意を胸にテントモン情報をメールする役割を買って出る。文武両道でイケメンの賢のファンだったから、戦うべきカイザーと知ってショックだったろう。気持ちを切り替えられて、ヤマトをロコモータウンに連れてきた。
●伊織:正義感の強さから「許せん!許せない、それに同じ人間として恥ずかしい!」と棒を振り回すも、すぐに取り乱したと反省するからかわいいものだ。「僕はあんたより年下だが、あんたのことを軽蔑する!あんたは、人間の恥だ!」。礼儀正しい伊織が「あんた」なんて二人称をボキャブラリーに持っていたなんて、ちょっとびっくり。よほど軽蔑しているのだろう。
●光子郎:ためらう京の気持ちを受け止め、待機を勧める。さすが先輩。
●ヤマト:状況を説明されたヤマトは、いきなり太一の左頬をぶん殴り太一の目を覚まさせる。太一「ありがとう、ヤマト」 ヤマト「なに、どういたしまして」。無印の冒険で培った、拳で語り合う仲。アグモンを想うからこそ、戦いにためらいは禁物だとみな了解する。さあ、今度こそ。大輔は、太一とヤマトの友情が今はまだ理解できない。
●テイルモン:ためらう京にやさしく「気持ちの整理がつかないうちは行かないほうがいい」と助言。戦いにおいても常に冷静な彼女に「あんなにカッカした太一、初めてかも」と言わしめた苛立ちぶり。
●グレイモン:繰り返された実験で消耗し、アグモンに退化。逃げ出して、汽車に乗ったのはよかった。
●テントモン:DWの情報収集役で活躍。九分九厘(難しい言葉を知ってるのはさすが知識の紋章)、アグモンの居場所はロコモータウンと。そこはまるで鉄道キットを集めたような街。
●ウッドモン:イービルリングをはめられ立ちはだかった。正気に戻ったが、太一に一方的にカイザーの行き先を聞かれただけで、助けてはもらえなくてかわいそう。それだけ太一の視野が狭まっていた証左。
●デジモンカイザー;イービルリングでは完全体を操れないという限界があった。要塞の、スカルグレイモンに対処できる保護室にて憑りつかれたようにグレイモンで暗黒進化の実験を繰り返す。アグモンからすればたまったものではない。しかしさすがの天才の頭脳。イービルリングでは完全体の大量のデ-タをこなしきれないので形を変えるのを思いつく「僕の辞書に不可能という文字はない」「数は力なり」。イービルリングを三つ合わせてらせん状にしたイービルスパイラルを開発。処理能力も受信能力も上がり、これならダークタワーすら不要。早速実験しようとして、アグモンが逃走したと知る。
「デジモンカイザーと呼んでくれないかな」大輔「けっ、誰が呼ぶもんか、けんけんけん、一乗寺けーん!」。特別じゃない、同じ子どもだという大輔の思いがこもっている。それに対しカイザーは、虫けら呼ばわり。カイザーが仕掛けたのはダークティラノモン、エアドラモン。バトル勃発。
カイザーに近寄ったアグモンはイービルスパイラルを付けられ再び操られる。放り投げただけで吸い込まれるようにきっちりはまるとはこれいかに。ウイルス型の青いメタルグレイモンに暗黒進化に成功し、「僕のしもべだ」太一の声はもはや届かない。太一を攻撃してくるメタルグレイモン。サンクチュアリーバインドで何とか拘束するが、取り乱した太一はメタルグレイモンを攻撃する のを制止し、フレイドラモンたちは手出しできず困惑。メタルグレイモンは味方に向けギガデストロイヤーを発射。カイザー はメタルグレイモンに乗り、デジタルワールド征服のため飛び去っていく。またもアグモンを奪われてしまった。
●ワームモン:;実験を繰り返すカイザーに思うところあり、アグモンをわざと逃がす。虫がイービルリングをあっけなく壊したのは意外だった。「あんな奴、どうだっていいじゃない。進化の実験なら僕を使って!
僕が進化する。進化して、賢ちゃんのために戦う! だから僕を」アグモンへの嫉妬と賢への一途な想い、LOVE~。しかしカイザーはワームモンを認めない。「お前がどんな立派なデジモンに進化できるというんだ、大体お前が僕のパートナー?フ、違うね、デジモンカイザーたる僕のパートナーがお前ごときであってたまるものか」まあ気持ちはわかる、小学校高学年男児なら、ビジュアルが芋虫より恐竜のが強くてカッコいいと思って当然だもん。でも、パートナーを否定することは自分を否定すること。賢はワームモンがどんなに冷遇しても賢から離れていかないと高をくくっているのだろう。それに芋虫は羽化すると美しく変わるよ。
次回予告:太一のパートナーを倒すなんてという大輔のためらい。でも全力で戦う仲間を見て、大輔の胸にこみあげる熱いものがブイモンの第二のアーマー進化を発動させた!次回のサブタイトルは「青い稲妻ライドラモン」。
2025.10.21、 記