デジモンアドベンチャー02第11話「青い稲妻ライドラモン」感想
脚本:吉村元希 演出:芝田浩樹 作画督監:出口としお 美術:清水哲弘
暗黒進化させられたメタルグレイモンを、太一は攻撃できない。ヤマトは太一を殴って(ナレーションでは「ヤマトはそんな太一に苛立ちを感じ」てとあるが、私には動揺する太一を極めて冷静に殴ったように見える)、目が覚めた太一はアグモンを取り戻す決意をする。
タイトルコールとシルエットはライドラモン。背景は青で、稲妻が光る。
イービルスパイラルをはめられ、デジタルワールドを跋扈するメタルグレイモン。カイザーは征服に専念できるので、黒いエリアを次々増やしていく。
トロッコに乗る太一たち。伊織が光子郎からカイザーが南へ進撃中だとメールを受け(それくらいしか知識の紋章の継承者たる描写が無いのは残念)、テントモンの言うとおりこのままトロッコで進む。ヤマトは、テントモンにガルルモンを探すよう頼む。アグモンと戦うかどうかについて、大輔はタケルとつかみ合いのケンカになってしまう。先輩のパートナーデジモンを傷つけまいという気持ちが強いのは大輔らしいけど、第10話で皆で申し合わせて納得したんじゃなかったの?が、太一はケンカを止めるなと言う。「ケンカもしないでいたら、一生友達になんかなれないんだ。だからどんどんケンカしたほうがいい」と笑う。歴戦の勇者の弁。
テントモンは、各所がダークタワーとイービルリングだらけに驚き、ガルルモンを探すのを急ぐ。
伊織のD-3にデジメンタルの反応があり(なぜ大輔じゃないの?)、土の壁に友情の紋章が刻まれている。そこには、友情のデジメンタルがある。太一「俺とヤマトがケンカばっかりしてきたっていう証みたいなもんだよ」ヤマト「つまんない事でよくもめたよな」(ヤマトがこんなこと言う日が来るなんて…ずいぶん丸くなったものだ)。ヤマトがまず持ち上げようとするが、持ち上がらない。他の皆もダメだ。最後の大輔は「俺友情とかそういうの全然わかんないし」と言う。太一「わかんないからいいんだよ」そう、わからないってことは伸びしろがあるってこと。太一とヤマトに力ずくでやらされたが、持ち上がらない。ほっとする大輔。見てるこっちは落胆ですが。
突然フライモン(成熟期)が現われ、ハウリングノイズで攻撃してくる。毒針を受け、パタモンが傷を負う。フレイドラモン、ホルスモンに進化するが攻撃は外され、再びハウリングノイズをかけられ、パタモンは連れ去られてしまう。
追っていくと、メタルグレイモンに乗ったカイザーが現われる。みんなの目の前で二つ目のイービルスパイラル(まだ量産は不可)でパタモンで実験しようといういやらしさ。タケル「ふざけるな!」攻撃をためらう大輔は、パタモンを助けたいタケルとまたケンカになる。タケルはパタモンを助けようとカイザーの方へ飛び出すが、ガルルモンが急襲しパタモンを助けた。身を挺してパタモンを助けようとしたタケルの気持ちも、俺のこと守ってくれるかと問うフレイドラモンの気持ちにも応えられず大輔はとまどう。カイザー、「ねずみども」って言ってる、「虫けら」以外の言い方もするのね。
ヤマトを乗せたガルルモンにディグモン、ネフェルティモン、ホルスモンが加勢するが、イービルスパイラルはなかなか壊れない。まだためらう大輔に、ついにはフレイドラモンはブイモンに退化してしまう。大輔「タケルはそして太一さんは俺が考えていたよりずっとデジモンとの絆がしっかりしてるんだ」「口で言うよりずっと大変な思いだったんだ」「俺はタケルの気持ちもわかってやれなかったのに、パタモンを助けてやることもできなかったのに」自分は本当に仲間を想っていただろうか。大輔は反省し悔しがる「ちくしょう、俺って情けねえ―!」。全くピンと来なかった、太一たちの言う「友情」。それは大輔なりの、友情というものへの目覚めの瞬間であった。叫んだ大輔のD-3が輝き、友情のデジメンタルが浮き上がって大輔のもとへ。友情のデジメンタルは大輔のものであった!一体のデジモンで二種類の進化があり得る事が判明する。大輔が友情の紋章の意味するところを発揮するのは、これ以降の、賢との関係性についての理屈抜きの直感的な言動である。理屈でなくハートで賢をフォローしていくことになる。
ブイモンは友情のデジメンタルでライドラモンにアーマー進化し、イービルスパイラルにブルーサンダーを一撃するが、壊れない。ヤマト「大輔、お前もアグモンを信じろ!自分を信じろ!」大輔は決心しライドラモンの背に乗り「俺にもできるはず、いや俺たちにしかできない!」、もはや迷いはない。ガルルモンと一緒に攻撃し、フォックスファイヤーで体勢を崩したところにライトニングブレードでイービルスパイラルを破壊。ようやくアグモンを取り戻す。泣いて喜び合うアグモンと太一。メタルグレイモンに乗っていたカイザーは、エアドラモンがキャッチし事なきを得た。成功したのに、慣れないライドラモンの初戦に大輔(とライドラモン)は茫然自失。なんかこの回、ヤマトの大輔へのスキンシップがめちゃ激しいな。一方で愛するタケルには何もしないのも対照的。よほど友情の紋章の継承者がはっきりしたのがうれしかったのだろう。
退却中、ワームモンが「仲よくした方が力を合わせて強くなれるのかな」と遠回しに言うが、カイザーは否認する。
パソコン教室にて。この先も、油断ならないと光子郎。テントモンの情報網に期待。チビモンは自分の力だけじゃなく他のみんなの力を感じたと言うが、大輔は俺のおかげだと調子づいて皆に笑われてしまう。ヤマト「オレオレって言ってるようじゃまだまだ子どもってこと」笑。思春期はわずかな年の差でも成長ぶりが違うから。主人公・大輔、がんばれ!
次回予告:西部劇の舞台のような街で出会う二人のガンマン、スターモンとリボルモン。囚われたピヨモンを救うには。次回のサブタイトルは「デジモン牧場の決闘」。
2025.11,1, 記.