第20話「超絶進化!黄金のマグナモン」
脚本:吉田玲子 演出:梅澤淳稔 作監:海老沢幸男
暗黒のパワーを回収し完成したキメラモンの凄まじい攻撃に、子供たちは撤退を余儀なくされた。
夜の街を、住んでいるデジモンごとキメラモンが破壊し、カイザーの要塞が後に続き、ダークタワーが次々建てられる。デジタルワールドはすでに我が手中も同然だとカイザーは笑う。くやしい、許せない、でもあの強いキメラモンとどう戦ったらよいのか。伊織は、基地の行く先にパイプラインを見つける(知識の紋章がちょっとだけど発動。でもないと、メールの使いっぱだよ;)。
キャンプ場で光子郎たちは、ヒカリの送った写真からキメラモンを知る。最初の手は、移動要塞を止める事だ。そこに伊織から「移動要塞の進行方向にパイプラインを発見しました。何か使えないでしょうか?」とメールが来る。光子郎は作戦を思いつき、伊織に「もうすぐアグモンたちがそちらに着きます。そうしたら作戦開始です」と返信する。
夜に移動するカイザーは、デビモンの声に恐怖で息が荒くなる。「もうお前は逃げられない、闇の世界だ。自分の足もとをよく見るんだ」足もとは黒い海に浸かっている。カイザーは絶叫する、しかしそれは消えた。
パイプラインに、テントモン・アグモン・ガブモンが着くと、間もなくキメラモン(アグモンが「ものすごい顔」と言ってるけど、それ、カブテリモンです;)と要塞が近づいてくる。キメラモンをやり過ごし、要塞が来たところでパイプラインを開け、吹き上がった石油にベビーフレイム・プチファイヤーで着火し要塞を火事にした。カイザーが消火に気を取られる隙に、要塞に潜入する大輔たち。ここの「突撃隊長」という形容はあまり好きじゃない。勢いだけで頭がないみたいで。
パイプラインを閉め、アグモンたちができるのはここまでだ。光子郎には、作戦成功のメールが来る。サポートするしかない太一たち、戦う大輔たちにとっても、カイザーにとっても、眠れない夜になりそうだ。
大輔たちは動力室を壊そうとし、バケモンたちを倒して進むと、もう少しのところでキメラモンが現われる。乗っていた子供たちを降ろし、デジモンは全員で攻撃するがびくともせず、消耗し幼年期に退化してしまう。幼年期のデジモンを見てカイザーは、サッカーの試合の時それを見たのを思い出す。彼らが生身の体だとワームモンに言われ、にわかにためらいを感じカイザーはキメラモンの攻撃を止めた。
タケルは一時撤退を提案するが、大輔は引かない「もう一回この要塞に入れるかどうかもわからない。だから、今しかないんだ!」「もう、あんな光景は二度と見たくない!もうこれ以上、こいつらの好きになんかさせてたまるか!だから、俺だけでも行く。ここであきらめるわけにはいかないんだ。ここまで来たら、前に進むしかないんだ」。チビモンは行こうと言ってくれる。鎖を手繰って動力室へ近づく。大輔の一途でまっすぐな気持ちが伝わってくる。
結局みんなも行くことにする。カイザーが攻撃開始を指示するが、キメラモンはもはや指示に従わず要塞を出ていく。デビモンの笑い声が響く。タケル「闇の力を利用しようとして、逆に利用されたんだ、奴は」。
賢ちゃんを守れるのは僕しかいない、とワームモンは大輔を動力室に誘導する。「僕はただ賢ちゃんを救いたいんだ」「お願い、僕を信じて」最初は罠かと疑った大輔だが、「わかった。お前のこと、信じるよ」。こういう大輔の裏表のない善良さが、賢を救うことになる。
動力室の真ん中に、黒いものが置かれている。エネルギーを発するそれが、賢の見つけた要塞の動力源だという。その黒いものは自然に浮き上がり、要塞の電源が落ちる。そしてそれが輝き、チビモンがブイモンに進化し、光が動力室の壁を壊す。大輔に何か声が聞こえ、それは「黄金のデジメンタル」だった。ブイモンはアーマー進化し、奇跡のデジモン・マグナモンになった。マグナモンの光が要塞に満ちる。このデジモンは、キメラモンを倒せるのか?