デジモンアドベンチャー02第21話

第21話「サヨナラ、賢ちゃん・・・」

脚本:前川淳 演出:吉沢孝男 作監:竹田欣弘

再び移動要塞に潜入する大輔たちだが、キメラモンは強い。あきらめない大輔の前に新しいデジメンタルが現われた。

タイトルコールで、ワームモンの目に涙が光ります、芸が細かいv

大輔が奇跡のデジメンタル(前回は黄金のデジメンタルって言ってたけど)でブイモンをアーマー進化させ、マグナモンが現われる。マグナモンはまばゆい光を放ち、ポロモン、ウパモンは力を取り戻し成長期になる。「いつもとは違う、何か特別な進化なのかも」ヒカリが言うと説得力ある。

キメラモンは暴走し、要塞を攻撃し壁を突き破り戻ってくる。大輔「こんなことはもう、今日で終わりだー!」。マグナモンが、マグナムパンチ、マグナムキックをキメラモンに放つ。もうカイザーのいうことは聞かない。うろたえるカイザー。「僕のすることに間違いなんかない、僕はいつでも完璧なんだ」「これはゲームなんだ、そして最後に勝つのは僕だ」

子供たちはカイザーを口々に非難する。タケル「デジモンにはね、生命があるんだ。生きてるんだ。僕たちのかけがえのない、大切なパートナーなんだよ!」。しかしカイザーは、僕にふさわしいのはキメラモンだと叫ぶ。当のキメラモンは要塞に致命的なダメージを加え、要塞は落下していく。ゴールドラッシュで穴を開けて子供たちは要塞を脱出し(小さな羽でディグモンの飛行姿、萌)、カイザーはデビドラモンに乗り遠ざかる。とうとう要塞は落ちた。

マグナモンは、プラズマシュートやエクストリームジハードで善戦するが、力を使い果たしキメラモンに体をつかまれてしまう。デビドラモンに乗ったカイザーがキメラモンを見に来る。ワームモンは「昔の賢ちゃんはそんなんじゃなかったよ」「一緒に笑って一緒に泣いて、普通の優しい賢ちゃんだったよ!」と涙を流す。「デジモンカイザーになってどんなにひどい事をしても、いつかは昔の賢ちゃんに戻ってくれると思ってた、そう信じてついてきたんだ」と言うワームモンの体とマグナモンの体が淡く光る。「本当の賢ちゃんは」と言った時ワームモンの体が強く光り「優しい賢ちゃんなんだー!!」とカイザーをデビドラモンから突き落とし、デビドラモンでキメラモンの拳を攻撃しマグナモンを開放する。「賢ちゃんを助けて」とワームモンは力の全てをマグナモンに託す。力を得たマグナモンは、エクストリーム・ジハードでキメラモンを消滅させる。

カイザーは、僕のキメラモンが負けた、と膝を落とす。大輔は、退化したチビモンを抱きしめる。ふと見ると、砂に半分埋もれている紋章があった。(大輔に発見されたのが象徴的だ)

カイザーは悔しがり「デジタルワールドをリセットしてやる」とほざき、デジタルワールドはゲームの世界じゃない、デジモンはパソコンの中のデータだけじゃない、生きてるんだ言われて激しく動揺する。それじゃあ、操ったり鞭打って働かせたあの行為も。「僕はなんてことをしてきたんだ」。(これはちょっと気になるのだけど、デジタルワールドにおいてだけ嫌な奴だったみたいな言い方だけど、現実世界においても子犬を蹴ったり、内心嫌な感じで周囲に接していたりしたんじゃ?)

自分の罪の重さに、手袋をはずしマントとサングラスを取り、うめきながら、服は制服に戻り、髪型も治から賢に戻り、這いずる賢。ワームモンはまだ息がある。「昔の賢ちゃんに戻ってくれたんだ」「昔・・?」呆然とする賢。その時紋章が輝き、賢のもとへ動く。大輔は、動力室で持ち主のもとへ帰りたいという声が紋章から聞こえたのだと言う。ワームモン「それは賢ちゃんの優しさの紋章だよ」。「優しさが黄金の輝きを放つ」ウィザーモンの言葉は、この事だったのだ。賢はワームモンを抱きしめる「ワームモン、お前、こんなに、軽かったのか」。「サヨナラ、賢・・ちゃ・・・」言い残しワームモンは消えた。(;_;)うう・・・。賢を戻すには身を挺するしかなかったのか。

死んだ。・・・治兄さんみたいに。泣き崩れる賢「僕はこんな気持ちを思い出すためにここに来たんじゃない」。兄さんの死、親の態度に苦しんで居場所を求めたのに。

大輔が「お前、うちに帰れ。お前のことを心配して、待ってる人がいるんだ。帰れよー!」と声をかけ、賢は立ち上がりよろよろと歩きだす。他の子はかける言葉もない。デジモンカイザーでなく一乗寺賢。大輔の賢への想いは、後に大きな力となる。

来た!ヤマト大好きのジュンが。ちょっとは賢ちゃんの余韻に浸りかったのに(--;) 大輔がいないのを不思議がるジュンに、光子郎が探してきますと誤魔化し森へ入ると、ちょうど光子郎のパソコンのゲートが開き(ヤマトの部屋のパソコンでなくてラッキー)、大輔たちが帰ってくる。さあキャンプは終わりだ。裕明の車に乗せきれないので、ヤマトは万札を渡され、バスで帰れと言われる。とんだ貧乏くじ、ヤマト君と一緒、とジュンのパワー恐るべし。ヤマトかわいそう;車内には、賢が自宅で発見されたとのニュースが流れ、とりあえずデジタルワールドの危機は消えたことを確認する太一と光子郎。他の子は疲れて寝ている。

賢は自室で着替えもせずこんこんと眠っている。子供たちの最初の使命は果たされたが、賢にはこれから果たすべき使命が待っている・・。あとになってわかる事だけれど、賢ちゃんも被害者、気の毒。一概に罰せられるべきでないと思う。

この美しい回に、美しい作画をありがとう!

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