第9話「激突!冷凍デジモン」
脚本:前川淳 演出:川田武範 作画監督:清山滋崇
タイトルコールはヤマト。デビモンの罠に落ち、ファイル島とともにばらばらにされる子どもたち。ユキダルモンを正気に戻した太一は、ヤマトと合流でき喜ぶのも束の間。今後の方針を巡って、皆きっと大丈夫だからと海の向こうのことを言う太一と、タケルや皆を探すのが先だというヤマトと激しく対立して殴り合いの大ゲンカ(今どきの子どもなら陰湿ないじめが主で、こんな肉弾戦はやらないんじゃないか)になってしまう。同人界では太ヤマ・ヤマ太ともお盛んだったが、この二人、親友という設定なのか?何かというとすぐケンカになるし、ヤマトはもともと家庭の事情を太一らに打ち明けていなかったし、小学校である程度の面識があっただけではないか?同じく氷系のモジャモンにも襲われるが事なきを得る。ガルルモンの攻撃をきっかけに黒い歯車が逆回転を始め、太一とヤマトは協力を誓う。
●太一:直に言われただけに、デビモンに言われた海の向こうの世界にもっぱら関心を集中している。落ちた雪原でユキダルモンに襲われ、アグモンをサッカーボールに見立てて「エースストライカーのミラクルキック」をお見舞いする、サッカーの実力は相当なもの。その明るさ大雑把さが災いし、ヤマトに「からかうな」「無神経」と酷評されるのが痛い。ムゲンマウンテンや皆を探すのに単眼鏡を活用。
●ヤマト:タケルの安否を気遣い何度も無茶をする。太一とのケンカで「タケルは一人じゃ何にもできないんだよ」と涙を見せタケルの保護者として異様なまでに必死なのは、それが自分のアイデンティティであるから。丈とはまた別のヤマトなりの責任感と慎重さ、太一のように行動・前進あるのみといかないのは、考えなしには動けない複雑な家庭環境が一因だろう。手袋しているものの、ノースリーブは寒かろう。温めてくれたガブモンに礼を言う、心温まる二人の絆。
●アグモン:ファイル島の外のことは知らないと明言、デジタルワールドのほんの一部しか知らないのは他のパートナーデジモンも同じだろう。行動ありきのアグモンにしては珍しく自分で作戦を立て、太一に協力を求める。飛べないと太一にからかわれ、拗ねるのがカワイイ。
●ガブモン:倒れて冷え切ったヤマトを温めるため、毛皮をヤマトに掛ける。恥かしいはずの毛皮を脱いだのは、後にも先にもこれっきり。無茶するヤマトが何を言ってもそれに忠実に献身的にフォローするのが、ガブモンのパートナーとしての在り方だ。ヤマトをかばって自分が風邪をひいてしまう。
●ユキダルモン:声は伊藤健太郎さん。「とっとこハム太郎」のタイショーくん、「NARUTO」のチョウジなど太めでのんびりした役がお似合い(「ヒカルの碁」の加賀鉄男はどうかと思うが・・大汗)。なのでユキダルモンにもぴったり。ユキダルモンも本来はおとなしく親切な成熟期。郵便ポストが10個ある不思議な雪原にいた。黒い歯車から助けられてからは大活躍。まずヤマトとガブモンの落下を目撃しており、絶対零度パンチで海を凍らせてそこへ太一たちを送ってくれたり、落ちる太一たちをクッション(触ると冷たいけどカチカチではなく柔らかいのね)になって救命したり、食べ物と薬草を採ってきてくれたり、モジャモンと戦ってくれたり、他の子どもはよそへ落ちたんじゃと情報をくれたり、ストーリーの要となった。
●モジャモン:声は家富ヨウジさん、まだ50代だが現在は芸能界を引退されているという。黒い歯車のせいで凶暴化した幻の珍獣型・成熟期。大型化もしたせいか強く、成熟期3体を相手に大暴れ。
●デビモン:ムゲンマウンテンの頂上に、王の如く広い宮殿を構えているのが描かれる。ばらばらにしたから一人の子どもの力は知れたもの、と侮っている。