デジモンアドベンチャー:第1話

第1話「東京デジタルクライシス」

脚本:冨岡淳宏 演出:三塚雅人 作画監督:浅沼昭弘

●OP
野沢雅子さんのナレーションがテイマーズを思い出させどきっとする。デジタルワールドへ落下していく図が、太一だけだが無印のOPのよう。千綿偉功さんはどうかと思ってたら、谷本貴義さんの「未確認飛行船」、熱くスピード感があり、冒険の旅を歌っていてとてもカッコよかった。Glorious World「輝かしい・壮麗な・素晴らしい 世界」へ。超名曲「Butter-Fly」の後任を無事果たしました。

●全体を見て
まず、日曜9時フジテレビ、息子と正座して待ち構えて観た日々が甦る。裏番組が仮面ライダー、ずいぶん強気に出たもので東映アニメの力の入れようがわかります。
サマーキャンプに行く準備から物語は始まった。太一・アグモン・光子郎とEDのヤマトだけが大きくクローズアップされ、スピーディーな展開にぐいぐいと引き込まれた。無印はメインキャラの登場の配分がよく考慮されていたけど(丈先輩がギャグキャラに終わってないこととか)、今作はどうなるのかな?
太一のマンションは、武蔵小杉との設定だとネットで聞いたが本当か?特急で渋谷まで12,3分て。舞台がお台場でないのを言い聞かせる自分;
プロデューサーに櫻田博之さんの名が。シリーズディレクターの三塚さんはプリキュアやクロスウォーズを手掛けてきた方。脚本の冨岡さんはキッズアニメでよく拝見するお名前。原画に直井正博さん(個人的に無印で一番好きだった)・八島善孝さん、ED原画に信実節子さんの名があり無印ファンとしてはうれしいところ。何の問題もない作画な回だったと思います。キャラデザのファッションが(特に色味)懐かしくも新しい感じですごく好き。
音楽は佐橋俊彦さんという戦隊シリーズでも有名な方。情緒がありなおかつスケール感もあり、良かったです。
タイトルに付属する:(コロン)を発音しない訳は明かされませんでした。そしてオメガモンとデジヴァイスに見えるあのマーク、OPの最後に一瞬出るオメガモン…やはりオメガモンてヒーロー中のヒーローだよな。tri.ではめっさ負けてたけど。
観ながらデジモン育成ゲームって何?おばさんには全然ワカリマセン;
無印へのオマージュが端々にあり懐かしく、でもデジコロから見始める人にも‘完全新作’を十分楽しめたのではないかな。

●太一
紋章の具体的エピソードはまだないが、改札を飛び越える選択、未知なる生き物アグモンと一緒に敵と戦うところに勇気の紋章を見た。アルゴモンと戦い始めるのに手袋をはめたのが印象的で芸が細かい。パートナーデジモンに指示するのでなく自分も一緒に体当たりするところがこの太一らしく、どうも大門マサル的じゃんとの声が多く聞かれた。光子郎との比較で、ウォ―ゲームの時のごとくあまりデジタルに詳しくないことも明らかに。声優は三瓶由布子さん、エウレカセブンの主人公レントン、BORUTOの主人公ボルトなど大活躍の人気者が太一に!ボルトより少ししっかり者で大人びた感じがした。メイン中のメインならこんな感じか。ちなみに藤田淑子さん、2018年12月28日浸潤性乳がんで逝去、享年68歳。tri.のオファーがあった時にはすでに療養中で端役ならともかく(「ちはやふる1,2」のかるた部顧問の先生役が遺作では)メインキャストは無理とのことだったという。

●アグモン
太一のことを知っていたから待っていたんだと思うが、デジタルワールドへ踏み出すのも太一、落ちていく意識のないコロモンを太一が救うという、太一のほうの能動的な出会い方。太一と触れてコロモンからアグモンへ進化。素直で明るく強い感じは無印と変わらず。「僕たちはデジタルの中に生きているモンスター、デジモン、だよ」。進化バンクが無いのはやはり淋しいし、進化時の継続的な変形変色を毎回作画するのって大変じゃないかなと心配。太一の決意に符合してグレイモン(でかい!)に進化して、アルゴモンをメガフレームで撃破、大迫力のバトル。大きなグレイモンと対峙する小さな太一、この図は見覚えが!このアグモンが無印のアグモンの巡り巡って再生と見る向きもあるとか?!


●光子郎
声優は小林由美子さん。太一より幼いがどこかかしこまった感じが出ていて良かった。情報収集・分析・参謀役に至るまで知識の紋章全開の活躍ぶりが頼もしい。八神家への入室をためらったがサイバー攻撃事件のニュースを聞いて思わず入っていくところ、太一が居るのはネットの中だと伝えるところ、今起きているトラブルがデジタルな世界のウイルスのようなものが原因だと解き明かすところ、好奇心旺盛さが炸裂している。デジオタ小学生の持っているのがノートパソコンでなくタブレット端末というのが2020年だ。気になるのはタブレット画面の起動時に映る「TACHIKAWA」の文字。ミミと何か関係が?

●ヒカリ
何かが起こってるという実感をすでに持っている様子やら、危機が納まり微笑むが、太一のおかげだと見抜いているかのように感じた(いわゆるヒカリ電波説)のは考えすぎだろうか。声優は和多田美咲さん。セリフがほぼないので評価は未定。家では太一と二段ベッドを使っている様子。 

●空、丈、ミミ、タケル
OP・EDの他は一瞬しか出番なし。ただ、丈が勉強中なこと、ミミがおしゃれに関心があること、タケルが一人で家にいることはわかる。空が見せるOPのあの一瞬の表情がとても凛々しく、今までになかった感じ。

●アルゴモン(幼年期)
敵らしく暑苦しい配色と危険に赤く光る触覚のようなものがある。一瞬、クラモンに似ている。平田広明さんのデジモン解説が無いのは淋しいところ。なぜ大量発生し悪さをしているのかはまだ不明。「首都環状線」(山手線て言わないのはナゼ?)を混乱させる。ちなみに環状線をコントロールしている所長の声をボルケーノ太田さんが演じているのはご愛敬。

●アルゴモン(成熟期)
紫に黄緑という嫌な配色と不気味で禍々しいキャラデザが初回の敵らしくていい。

●太一母(八神裕子)
水谷優子さんからテイルモン役の園崎未恵さんにバトンタッチ。明るくアバウトな性格の人だったが、デジコロではどうなるか。繊細で凛とした演技はテイルモンらしい?

●ヤマト
袖がある、手袋が無い、新鮮。代わりにスカーフを左手首に結んでいる。ギターとピックあり、音楽に親しんでいることはわかったが、ブルースハープは無いのね。今後太一との対立がありそうな感じ。

●ED
歌は藤川千愛さんの「悔しさは種」でした。別に良い曲なんだけど、ヤマトを思いきりフィーチャーしてるEDで、そちらのネタバレに気が行ってしまうのを止められない;
次回予告が「ウォー・ゲーム」って!!おいおいあの名作をどう創り直す?のか興味津々。アメリカの中枢がやられたとこまではその通りなんだが。

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