DIGIMON BEATBREAK 第36話「歪んだコード」感想
脚本:佐藤寿昭 絵コンテ:貝澤幸男、長田伸二 演出:采野晴樹 総作画監督:仲條久美 作画監督:仲條久美、洪範○、宇代祐規、有我洋美、佐藤敏明、細川修平、李少雷、廣田訓之 美術:神綾香、小野寺由惟 制作進行:小宮慧 <2026.6.21.放映>
公式のあらすじは「王会長を襲撃したGIFTは真の目的のため、全世界に向けてカウントダウンを開始する。一方、サポタマに導かれ、トモロウはミラーワールドでミハルと出会う。戦いの中、背後に渦巻く暗雲から現れたのはメフィスモンだった。」
長田氏は、ジョジョの各話監督や、原画、作画監督、絵コンテ、演出でいくつかの作品に参加。読み仮名は「ながた」なのか「おさだ」なのか調べたが不明。
●トモロウ:「こいつは、ムカつくけど、素直に話せる友達みたいな奴なんだ」「上とか下とか思ってない。ミハル、この世界は歪んでいる。俺もそう思う。だけど、お前のやり方は、間違ってる!」言ってくれてスッキリした。シンパシーを感じる部分があっても、悲しい過去があっても、現在が歪んでいても、許されない行為がある。特殊なe-パルスのトモロウを同志と信じて疑わなかったのか、ショックのあまりサポタマを落とし引き下がるミハル…
メフィスモンがミハルを操っていると判断し、メフィスモンと対峙するも黒い雲に侵食され歯が立たず。何とかミハルを救いたい。
●ゲッコーモン~モナークリザモン:犯罪者だと明らかなミハルとどう接するべきか。「俺っちはもう一度ミハルと話してみたいってナ」言ってくれました。「お前悪いヤツなんかじゃないってナ」「まだ話は終わってないってナ!」どこまでもミハルの善性を信じており、泣かせる。
トモロウをミハルへと送り出した後、退化したがトモロウにへばりつく、ナイス!
●キョウ:相手が犯罪者だとしても、敵対を強要せずにこうして聞いてくれた「トモロウ、お前はどうしたい?」、懐が大きい。レーナもマコトも、トモロウの意思を尊重して完全体でフォローしてくれた。
●ツカサ:再登場がうれしいキャラ。元気で何より。SPらしきお付きが二人いるということは、社長(父親)が逮捕されても会社は持ちこたえ跡取りに収まったってことか。GDのことを信頼してレアな知らせを持ってきてくれた。
●ミハル:あまりに悲しい過去、姉の詳細が明らかに。早くに両親(趣味がコンピュータ関連で長女がSE、次女がコーディングの天才というんだから、コンピュータ関連の職業であったろう)と死別し、姉に養育されてきた。不登校児。マンションの503号住まい。若い姉一人の収入でこの間取りと、両親の趣味で集めたという装備機器は高価そうなので、富裕層か。「毎日世界の誰かと挨拶を送り合えるだけ」のアプリが、GIFTの原型であった。学校から引きこもりコンピュータに活路を見出した中学生。頼りにしており大好きな姉の死を目撃し精神がおかしくなった。ウィザーモンのサポ主ではないが、消えそうなウィザーモンにe-パルスを分け与え延命した縁がある。さらに姉を失った衝撃から黒いe-パルスを生み、それがウィザーモンに影響しメフィスモンになった。相変わらず日曜朝に、重いです。
姉を失い、天涯孤独に。姉への執着は強く、姉の望んだ、デジモンが人間に幸せをもたらす世界を叶えようと、GIFTを組織化。世界の人と挨拶なんてかわいげはどこへやら。悲しみと絶望から被害者がいつしか加害者に。「この世界はWUによって歪められ、理想的じゃない人間は排除される。…GIFTに集まったのは、そんな世の中に絶望し、誰かにこの世界のコードを書き換えてほしいと望む、そんな人たち」「彼らはバグなんかじゃない。AIとe-パルスから生まれた、人類より進化した存在。だからデジモンたちに、私たち人類を導いてもらうの!そして世界は美しさを取り戻すの!」。
ライラモンとムラサメモンの戦闘で花畑を荒らされ、怒り心頭、メフィスモンが現れる。ミハルの根底には、怒りがある。
「わかったでしょ。私は姉さんとメフィスモンと一緒に姉さんの願いをかなえる!」「この世界のコードを書き換えるの」「さよなら、トモロウ」あれだけトモロウ勧誘にこだわっていたのが、自ら手を振りほどいて決別宣言。一人ただもう願いのために進む決意。
たくさんの人を巻き込み、殺し、王会長にまで手出しした以上、その処遇は厳しいものになるであろう。情状酌量するとしても、作品としてどのあたりに落としどころを作るのか注目。彼女でも「やり直せる」結末か?
●岸和田:ライラモンの急襲に、またもミハルをお姫様抱っこし救護。メフィスモンの格を知っており、その登場にひざまづいた。
●影森チフユ:WUでサポタマのAIを調整するシステムエンジニアとして勤務していた。自らミラーワールドに入れるほど、その手腕は優れていた。年令設定がないが、大卒ですぐ就職したとしても22歳以上だから、割と年の離れた姉妹。「コードにはね、生みの親の心が表れるの。ミハルのコード、すごくやさしいわ」。さて「世界のコードがまるっと書き換わるかも」「デジモンの力はきっと私たちを幸せにしてくれるわ」というあまりに無垢で楽観的なビジョンを持っていたある意味やばい人。
ウィザーモンをWUに回収され、職場で疎外され、ウィザーモンを救えなかった罪悪感を持ち、追い詰められて精神を病んだ末に、自死を選んだ被害者。手段は、ペットボトルが空だから服毒?それとも処方薬か市販薬の過料服薬?はたまた脱水と低栄養による衰弱死?その時刻がまさに「20時11分」。
ネットによると一部のファンがこれは「ヨハネの黙示録20章11節からの引用」だという。「また私は、大きな白い御座と、そこに着座しておられる方を見た。地も天もその御前から逃げ去って、あとかたもなくなった(20章11節)」。こういう小難しい元ネタ、考察好き勢にはありがたいだろうが、そうでない者にとっては意味不明でしかなく、私は勘弁してよと思う。
で、ミハルが病院にしょっちゅういるってことは、チフユが寝たきりだが存命してるって可能性は?
姉妹で「冬」と「春」。漢字だと「チ」「ミ」はどの字だろう?
CVは早見沙織さん。
●ウィザーモン:魔人型の成熟期。異世界「ウィッチェルニー」からやってきた炎と大地の魔法を納めたデジモン。チフユとミハルと、3人で仲良く平穏に暮らしていた。ミラーワールドに魔法をかけ美しい花畑にしたウィザーモン。そこは3人のお気に入りの場所。やさしすぎる姉の、合わせ鏡。が、ある時デジモンの誕生を察知したWUの上層部に連行されチフユと引き離される。死にかけのところをミハルに発見され(WUに回収されたならなぜ削除されずに路地裏にいた?)、ミハルのe-パルスをもらい何とか生き延びたが。帰宅してサポ主の死に直面したウィザーモンは、ミハルから放たれた黒いe-パルスを吸ってしまい変容。「ミハル。この世界のコードは歪んでいる。書き換えよう、共に…」。そこにもはやウィザーモンのやさしい面影はなく。
●メフィスモン:世界のコードを書き換えるため、ミハルと行動を共にする、堕天使型の完全体。アポカリモンの残留思念データから生まれた、あらゆる生命のせん滅を行動原理とするデジモン。ウィザーモンがサポ主チフユの死を目の当たりにし、絶望に染まったミハルの黒いe-パルスで暗黒進化した姿。つまりはミハルの正式なパートナーデジモンではない。けれど、テイマーズ劇場版のボスを務めた悪の大物デジモン。ミハルを扇動、でもメフィスモン自体がミハルの悲しみと絶望によって生まれたのだから…黒幕と呼んでいいものか。ミハルは単に操られた被害者ではないのだ。
必殺技は、全てを腐食させる暗黒の雲を発生させる「デスクラウド」、得意技は、耳にするとほどなく死に至る暗黒の呪文「ブラックサバス」。デスクラウドは、完全体を蝕んで近づけさせない強力さであり、メフィスモンはただの完全体とは格が違う。
CVは高乃麗(たかのうらら)さん。大御所の声優、俳優、歌手、ナレーター。リマックス所属で、リマックスの前代表取締役。ハスキーボイスで、海外ドラマ、吹替、アニメなど、元気のいい少年役から色っぽい女性役まで幅広く活躍。ジャズシンガーとしてアルバムも出している。個人的にはコジコジの次郎が印象的。デジモンには初登場。メフィスモンに女性声優が声を当てるのもこの個体が初。
ネットには「大切な人を守れず生き残ってしまった絶望から暗黒進化した」メフィスモンは、無印のウィザーモン(大切なテイルモンを命と引き換えに守り、それがテイルモンの新たな進化を促した」展開と対になるという説が。
●王会長:存命で、ミハルに拘束されていた。シャングリラ計画にはサポタマが不可欠。だからサポタマによってデジモンなる不具合が生まれてしまう欠陥を、王は隠してきた。デジモンの存在を王が公表することで信憑性は高まるとGIFTは考え、王を拉致した。でも王の考えは変わらない「あれはサポタマのバグだ。あの災いから20年、世界はようやく理想的な秩序を取り戻しつつある。無用な混乱を生むバグは、我々が適切に管理していればよい」。WUの末端の職員でしかないチフユのことを、王は知らなかった。ミハルの怒りに火が点いた。
●ローズ:クレイが失脚し、カイトもホノカも当てにならず、ひとり王会長奪還に挑んだ。ゲンジョウは今何してるん?ライラモンによる二人称は「お姉様」。王会長の居場所をミハルに吐かそうと参入。元同志のキョウに「坊やのお守りだなんて。昔のあなたはとげのついたバラのように孤高だったのに」。「あなたこそ王会長の犬になり果てた」(キョウ)。犬と呼ばれても反論はしなかった。図星だから?反論は美しくないから?
●ブリリアントゾーン:専用と思しきテーマ曲で参上。ラブシーンを披露笑。
●カイト:消臭命令に応じず会長を呼び捨て。「自業自得」と手厳しい。
●ホノカ:黒のインナーがカイトとそっくり。真似するほど心酔ってことか。五行星なのにまるであてにならない。会長、五行星の人選間違ってるし、人望なしで踏んだり蹴ったり。
●サポタマ:CVは松嶌杏実さん。
●ドローン:CVは大平寛子さん。
●チーフ:CVは長谷川禄さん。
●(男性の)同僚:女性の同僚はクレジットなし。CVは炭谷(すみたに)勘吉さん、青二のジュニア枠の方。ワンピなどの脇役に出られている。
●料理:レーナが奪ったフランクフルト。チフユが花畑で広げたお弁当(海苔おにぎり、オムライスおにぎり、ハムとレタスのサンドイッチ、玉子サンド、から揚げ、蛸さんウィンナー、ブロッコリー、ミニトマト、苺)。
次回予告:次回のサブタイトルは「優しい魔法」。目をむく王。呆然としてサポタマを握るミハル。トモロウ、キョウ組を乗せて飛ぶモナークリザモン。目が赤く光るメフィスモン。見開いたミハルの目。叫ぶトモロウ。GIFT編の最終回。
2026.6.23. 記
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